君想い。


「この前悠太から色々と聞いたからさ…」


色々って何?


「口止めされてるから言えないけど…。でも、悠太の気持ち分かって欲しいんだ」


悠太の気持ちって何?


「俺、そん時あいつに要らないこと言ってしまった…。だから、ごめん」


雅人は申し訳なさげに言った。


分からないことだらけ。


こうなった原因も、悠太の気持ちも、雅人の言ってることも、全部分からない。


「…っ」


私は何も言えなかった。


雅人はぽんぽんと頭を撫でてきた。



…悠太とは違うその手で。


雅人は確実に私が避けられることとなった原因を知っている。


けど、訊いたところで雅人は絶対教えてくれるはずがない。


雅人はこういうことに関しては口が堅いのだ。


悠太はそれを分かっている上で雅人に話したのだろう。


「一回話し合うべきだと思うぞ」


私は表情を曇らした。

.
< 18 / 62 >

この作品をシェア

pagetop