君想い。
「この前悠太から色々と聞いたからさ…」
色々って何?
「口止めされてるから言えないけど…。でも、悠太の気持ち分かって欲しいんだ」
悠太の気持ちって何?
「俺、そん時あいつに要らないこと言ってしまった…。だから、ごめん」
雅人は申し訳なさげに言った。
分からないことだらけ。
こうなった原因も、悠太の気持ちも、雅人の言ってることも、全部分からない。
「…っ」
私は何も言えなかった。
雅人はぽんぽんと頭を撫でてきた。
…悠太とは違うその手で。
雅人は確実に私が避けられることとなった原因を知っている。
けど、訊いたところで雅人は絶対教えてくれるはずがない。
雅人はこういうことに関しては口が堅いのだ。
悠太はそれを分かっている上で雅人に話したのだろう。
「一回話し合うべきだと思うぞ」
私は表情を曇らした。
.