君想い。


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──────…


誰もいない教室は物寂しく夕日に照らされていた。


それは儚く切ない何かを物語っているかのようだった。


あの日、“好き”って、“ありがとう”って伝えてたら今と状況が変わってたかな?


そんなこと考えても無駄なだけ。


終わったんだからどうしようもない。


もう悠太は私の傍にいない。


───コツ、コツ、コツ、コツ…


廊下の方から足音が聞こえる。


誰だろう?


そう思って廊下を見る。


そしたら、廊下を歩いている人と目が合った。


…廊下を歩いている人が悠太に見えた…。


【完】
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