君想い。


「はぁ…智香っ…智香、どこ行ったか知らない?」


悠太は息を整えながら、紗季に尋ねた。


「今日部活だって言ってたから体育館じゃないの?」


「…体育館行ったら部活してなかった」


「嘘っ…でも、確かにそう言ってたんだけどなぁ」


「…分かった。ありがとう」


「分かんなくてごめんね」


悠太は首を横に振ると、また走りだした。


悠太が焦ってるように見えた。


「どしたん?」


「智香がいなくなっちゃったみたい。悠太は謝りたくて捜してるのよ」


謝りたい、ね。


「ふーん。つか、行方不明なら俺らも探した方が良くね?」


「…そうね」


俺らも智香を探すことにした。

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