君想い。


…それからちょっとして2人は別れた。


別れてから智香は一度も涙を見せなかった。


…いや、智香は泣けなかったんだ。


「雅人〜!この前皆に奢ったんでしょ?私にも奢ってよ〜!」


「嫌だ。つか、お前が来なかったのが悪いんだろうが馬鹿」


「けち〜」


智香は口を尖らせた。


…可愛い。


なんて思ってしまった。


「…しょうがねぇなぁ、ジュース1本だけだからな?」


「やったあ!んじゃ自販行こ!」


「はいはい」


結局、俺は2人が別れた途端諦める決意なんて破ってしまった。


…まぁいっか。

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