君想い。


自販に行く途中のことだった。


「んで、何にするん?」


尋ねたが智香の返事はなかった。


「…智香?」


振り返ると智香は立ち止まって、どこかを寂しそうに見つめていた。


視線の先を見る。


そこには…悠太がいた。


智香。


智香…見るな。


見るな!


「智香!」


智香の手を掴み、俺の方に向かせた。


「智香、好きだ。」

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