君想い。


その後、俺はどうやって教室まで帰ってきたのか覚えてない。


ただ一つだけはっきりと覚えていることと言えば。


“ごめん”


智香がそれだけ言って、どこかへ行ってしまったことだけ。


…俺も馬鹿だな。


今告ったって撃沈することくらい分かってたのに…。


「…ばか野郎」


手を見つめて、掴んだ手の感触を思い出す。


あーあ。


確かに掴めたのにな。


【完】
< 40 / 62 >

この作品をシェア

pagetop