君想い。


それは胸騒ぎと共に起こった。


ふと廊下を見ると智香と雅人がいた。


雅人は智香の手を掴み、あまり聞き取れないが何か必死に訴えてた。


「…好きなんだ……くれよ…」


「……ん…」


智香は走ってった。


今、何が起こった?


一部始終を見ていた奴の腕を捕って尋ねた。


「雅人が告ったって」


智香が取られる。


そう思った瞬間、すごく嫌な気持ちになった。


いいのかよ、俺。


このままでいいのかよ。


まだ言ってねぇだろ。


智香に言わないといけないことがあるだろ。


言いたい。


…智香を他のやつに取られたくない。

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