君想い。


昨日まであんなに遠いかった距離が縮まる。


深かった溝が埋まる。


幸せな時間が増えていく。


智香は俺の袖を掴んで上目遣いに俺を見てきた。


やばい。


それ可愛い過ぎる。


「智香、可愛い」


そう言って抱き締めた。


「悠太ってこんなに積極的だったっけ?」


「だって智香がこれから取り戻せばいいって言っただろ?」


「それはそうだけど…!」


「積極的な俺は嫌?」


「…嫌ではないけど…」


「けど?」


「心臓がもたないよ…」


智香は恥じらいながら言った。


俺は顔が熱くなるのを感じた。


やばいやばいやばい。

.

< 60 / 62 >

この作品をシェア

pagetop