14歳の正しい生き方。
「本藤さん…?」
本藤さんは私を腕枕しながら寝ていた。
「……えー」
冷めた印象とは正反対の寝顔が可愛かった。
(……この人弱音とか吐かないな。
辛いとか感情出さない人なのかな。)
(……私、この人の事なんにも知らない)
名前と歳と職業、それしか知らない。
いや、充分なはずなんだけど、本藤さんの肝心な所をしらなくて。
中身がわからなくて、不安になった。
「……宇実。」
「…ぅひゃっ!?」
体育座りして昼ドラを見ていたら、本藤さんの寝起きの声がした。
「…呼んだだけじゃん失礼な奴。」
「いや…真剣に見てましたんで」
「昼ドラを?ガキにわかんのかいこんな濃いドラマ。」
ククッて本藤さんが喉を鳴らした。
「うし、帰るか。」
「うん?…あぁ。」
家が厳しいから、門限は6時30分。
本藤さんとばいばいは基本4時。
なんでかはわからない。
決まってこの時間なだけ。