14歳の正しい生き方。
















「本藤さん…?」

本藤さんは私を腕枕しながら寝ていた。

「……えー」

冷めた印象とは正反対の寝顔が可愛かった。

(……この人弱音とか吐かないな。
辛いとか感情出さない人なのかな。)








(……私、この人の事なんにも知らない)

名前と歳と職業、それしか知らない。

いや、充分なはずなんだけど、本藤さんの肝心な所をしらなくて。

中身がわからなくて、不安になった。










































「……宇実。」

「…ぅひゃっ!?」

体育座りして昼ドラを見ていたら、本藤さんの寝起きの声がした。

「…呼んだだけじゃん失礼な奴。」

「いや…真剣に見てましたんで」

「昼ドラを?ガキにわかんのかいこんな濃いドラマ。」

ククッて本藤さんが喉を鳴らした。





「うし、帰るか。」

「うん?…あぁ。」

家が厳しいから、門限は6時30分。

本藤さんとばいばいは基本4時。

なんでかはわからない。

決まってこの時間なだけ。





< 10 / 13 >

この作品をシェア

pagetop