14歳の正しい生き方。
「……どこにいるんだろ」
いつもは自転車にのっている本藤さんの姿がない。
とりあえず電話をかけると、すぐ折り返しかかってきた。
「わりぃ、寝てた。」
「は!?(笑)なにそれーバカっ。」
「悪いって…おぉ制服やー!お前の学校の制服まだマシやん」
「え?寝てたじゃん本藤さん」
「約束はやぶりませーん。目の前に水色の軽自動車あるやろ?」
本藤さんの言うとおり、軽が停まっている。
「こっちおいで。」と言う本藤さんの声が弾んでいた。
小走りで軽まえ行くと、中にはニコニコした本藤さんがいた。
「なにこれ!どうしたの?」
「借り物やけど、好きにしていいってー。」
人目で「車好きなんだな」ってわかった。
でも、中には可愛いぬいぐるみやキーホルダーに芳香剤。
「……絶対女物だよね、これ」
「車か?わいの連れの女がよおけ乗るらしくて、こんなんなだーけ。」
「はよ乗れガキ」と、助手席に乗るよう指示されたので、本藤さんの隣に乗る。
「………お前、乗り物だめなんや」
「………おぇ」
一旦家まで送ってもらい、私服に着替えて軽いドライブをうることになった。
家を出るとき、ママが「気をつけてね」と寂しそうな顔をしたのが
頭から離れないでいた。
だが、ジェットコースターや絶叫系大好きなくせに
車やブランコなどは滅法よわい私は、すぐ車酔いしてしまった。
「そうゆうのは先に言ってな」と呆れられてしまった。
飲み物を飲んで落ち着いた瞬間、ぐんっと車が前へ進んだ。
「!!!!?」
飲み物を喉に詰まらせながら、本藤さんの方を見た。
(二本指で運転してらっしゃる…危ない人だな)
何食わぬ顔で80キロ近くだすから、もう気分がMAXで悪かった。