14歳の正しい生き方。






家が多少建っている静かな場所に、車をとめた。

少しだけ歩くと、少し古びたアパートが見えた。

「えっ待って待って待って。なにこれ。」

「わいん家ぢゃい。」

サラッと言っちゃった本藤さん。








「前さ、仕事の書類があって、入っちゃダメって言ったよね。」

個人情報を見られてはいけないと言っていた。

だから家は入れないといっていたはずなんだけど…。

「家、二つ持ってんの。」

「借金してんぢゃん。そんなお金あんの?」

借金してるということも聞いていた。

仕事も最近うまくいっていないとも聞いていたので、疑う。







「女の連れと一緒に住んでる…っていうか
女がいないときはわいがこの部屋使うんぢゃけど、
わぃがいないときは女がここ使ってんねん。」

……正直ありえないと思ったけど

「そうなんだ。」で適当に返事した。







一人暮らしですって感じの部屋だった。

女の人が主に使ってそうな感じの。

鍵をおいて本藤さんは布団に寝転がった。

どこに行けばわからない私は、突っ立っていて。

「なにしとん。こっちこいや」と不思議そうにいわれたので

布団の上に腰掛けた。
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