SAKURA
「あのぉ、お隣いいですかぁ?」

、、、、折角褒めてるのに。

もう話しかけちゃって。

男は満面の笑みで、返事してるし。

「みちー?ここだよっ」

って、知ってるっちゅーの!

、、、、本心は隠して笑顔で席に座った。

「名前、なんていうの?」

席に座ったとたん、茶髪が言う。茶髪が、千尋のタイプ。

「斉藤千尋っていいます~♪」

「わ、私は時枝美智恵です」

―私は仲良くなる気、ないのになぁ、、、。

だって、千尋に横目で睨まれちゃあ、言うしかないし。

千尋には叶わないんです。

「へぇ~、そうなんだ。“チヒロ”ってさ、普通のあの漢字でいいの?」

「はい、面白くないですよねー」

「いいと思うけど?俺は伊敷柳。“ヤナギ”って書いて、“リュウ”って読むんだけど、よく間違われるんだよね」

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