ヒミツの関係☆上司は幼なじみ!?
おずおずと私も右手を出すと、急に佐藤の胸元に引っ張られる。
「あっ」
咄嗟のことで、トレーを床に落としてしまう。
あたしを抱き寄せ、耳元で
「今夜いる? また行くから」
そう囁いた。
その時、後ろでドアのノブが回る音がして、あたしは佐藤から身を離す。
「ど、どうした?」
上司が言う。
「眩暈がしたそうです」
佐藤が何事もないように答える。
「そ、そうなんです。立ちくらみして、トレー落としちゃって」
あたし、言い方変じゃなかった?
「なんだなんだ。気をつけろよー。貧血かー?」
上司をうまく誤魔化せたみたい。よかった。