偽者お姫様






「あ、おはよう」


瞼を上げると、紅い瞳と視線が絡む。

その色に、ドクン と心臓が跳ねる。


紅を帯びた瞳、それは魔法使いである証。


( ・・・・・悪く思うなよ )


魔法使いを見たのは、初めてではなかった。


「あれから二日も眠り込んでいたんだよ」


その声に、彼女は過去から現実に戻り、ガバッ と体を起こすが、


「・・・・ッ」


鋭い痛みが、体中を襲う。



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