偽者お姫様
「うーん、そうだなぁ……リオル、なんてどうだい? 君のその飴色の瞳はヘリオドールの色とそっくりだから、そこから取ってみたんだが」
「……ヘリオ、ドール」
( デイジー、君は私や他の3人を明るく、そして笑顔にさせてくれる、まるで太陽みたいな存在の子だよ )
頭の中の片隅にあった懐かしい記憶が、蘇って来る。
( 君のその瞳の色とそっくりな石があってね、その石の名前はヘリオドールというんだ )
( それは、綺麗な石なの? )
( あぁ、とても綺麗だよ。 そしてその石の名は、ある意味を表しているんだ )
( その意味は何? )
( それはね、“太陽の贈り物”という意味なんだ )
( 太陽の、贈り物…… )
( ヘリオドールも、そしてその意味も、君にぴったりの物だと思うんだ )
( だから、君のペンダントにはその石を埋め込んだんだよ )
気付くと、彼女は首から掛けているそのペンダントを握りしめていて、そして涙が一筋、頬を伝って流れていた。