偽者お姫様



僕は、どうしたらいいんだ。
人々の前に姿を現わせば、また彼らを穢す。

けれど心から願いを叶えてほしいという人が、僕を待っている。

でも、僕は―――――

( 魔法使い!! 早く、願いを――!! )

また人間を嫌いになってしまうのが、怖い。

自分自身の存在を否定するのが、苦しい。


今まで心の奥深くに静めていた数々の想いが、一気に溢れ出す。
周りの声など耳にも入らず、一心不乱に、走り続ける。

クロードとシンデレラのもとへ、逃げるために。


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