偽者お姫様
孤独に慣れ、二人は離れ、そしてシンデレラを巡り、対立した。
けれど魔法使いは彼女のために、また クロードのために、引き下がった。
シンデレラのためを思い、そしてウィズのためを思った王子も、引き下がろうとした。
やはり、二人は似た者同士。
いくら啀(いが)み合おうと、何処かで 相手の事を思っている。
そして王子は、救われた。
けれど魔法使いはまだ、救われない。
クロードとシンデレラの元へいけば、救われた彼が、羨ましいと 思ってしまう。
孤独に慣れているから、一人でひっそりと暮らすのは 苦ではないはずなのに、どこか虚しい。
「・・・・まるで僕も、救われるのを望んでいるかのようだ」
けれどそれは きっと叶わない。
僕は誰とも、関わりたくないから。
( もっと、願いを叶えて! )
人々の心を穢してしまうのが、恐ろしい。