偽者お姫様



( ウィズ、彼女は北の国とこの国との奴隷の違いに、驚いたんだ。 彼女に北の国の奴隷について聞いてみたらいい。 僕らが思ってる以上に、ひどいさ )

クロードの言葉を、彼は思い出す。

彼女にとっては決してよくない過去の記憶を、思い出させていいのだろうか。

( 私が殺した )

彼女の悲しむ顔は、見たくない。

でも僕はクロードほど北の国について知らない。
だからこそ、知らなければいけない。

けれど知ってからも、シンデレラのことを悪く言うことは、許すことが出来ないだろう。

シンデレラには、傷ついてほしくない。
自分が奴隷であったことで、もう悲しまないでほしい。



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