じかんの代償
2人共すぐに病院に運ばれた……
奏多くんは重症だが、無事だった。
しかし、澄華さんは助からなかった……
目の前で冷たくなって横たわる澄華さん……
目を覚まさないのが嘘のような安らかな寝顔だった……
『澄華……』といいながら、兄は泣き崩れた。
姪っこは状況が判断がつかめていないようでいないようで、不思議そうな顔で「ミャミャぁ」と澄華さんに呼び掛けていた。

お通夜の際、奏多くんのお母様が兄に、泣きながら謝罪してきた。
『頭上げてください。
それより、澄華が守った奏多くんを大切に育ててあげてください。』
兄が、そう宥めた…



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