サヨナラのその日までそばにいさせて。
「入っていいよ」
「お邪魔しまーす」
ニコッと笑って空良は入って来た。
お土産と言ってケーキの箱を渡され、慣れたように白くて丸いクッションに腰を下ろした。
「紅茶でいい?」
「なんでもいいよ」
とりあえずケーキと紅茶をテーブルに揃え、空良の用件を尋ねた。
「どうしたの?何か話?」
「いや、ただアルバム作るってアキから聞いたから、写真持ってきただけ」
「…写真って、何の?」
ショートケーキを口に運びながら、不思議そうに空良を見つめると、上着のポケットから封筒を取り出し、中から写真を出した。