サヨナラのその日までそばにいさせて。



「何?咲希のこと好きになったの?」


「なっ!!」


顔色ひとつ変えずストレートに聞いてくる空良。



「なんでそうなんねん!俺が咲希を?有り得へん!」


「…どうしてそう言い切れんだよ?」



「だ、だって…」


カァーと顔を真っ赤にする俺に、ハァーと溜め息混じりに息を吐く。



「いつ、どんなきっかけで人を好きになるか分かんないんだから、否定する必要ないよ」


「………」


そう言って困ったように笑う空良に何も言い返せんかった。



俺は咲希を好きなんか?


自分の気持ちが分からへん。


そう思いながらチラッと咲希を見ると、目が合ってしまった。



ドキンと心臓が鳴り、慌てて視線を逸らしてしまう。



あかん…なんやねん、俺!



< 136 / 474 >

この作品をシェア

pagetop