サヨナラのその日までそばにいさせて。
「何?咲希のこと好きになったの?」
「なっ!!」
顔色ひとつ変えずストレートに聞いてくる空良。
「なんでそうなんねん!俺が咲希を?有り得へん!」
「…どうしてそう言い切れんだよ?」
「だ、だって…」
カァーと顔を真っ赤にする俺に、ハァーと溜め息混じりに息を吐く。
「いつ、どんなきっかけで人を好きになるか分かんないんだから、否定する必要ないよ」
「………」
そう言って困ったように笑う空良に何も言い返せんかった。
俺は咲希を好きなんか?
自分の気持ちが分からへん。
そう思いながらチラッと咲希を見ると、目が合ってしまった。
ドキンと心臓が鳴り、慌てて視線を逸らしてしまう。
あかん…なんやねん、俺!