サヨナラのその日までそばにいさせて。
「またサボり〜?ちゃんと授業出ないとダメだよ」
「あぁ…そやな…」
不満そうに怒る咲希に苦笑しながら答える。
「そうやってまた適当に返事する〜」
ぶすっとする咲希を見てると、段々と胸がキューッと締め付けられる感覚になってきた。
「咲希…、悪ぃ……」
「ちょっと!」
話の途中だよ!と怒る咲希を無視して、急いで階段を下りると、近くにあった水道へと向かった。
ズボンのポケットから薬の入ったケースを出し、いくつかの薬を掌に出し、水と一緒に流し込んだ。
締め付けられる胸を抑え、俺は廊下の壁にもたれるようにそのまま座り込んだ。
「…っ、……はぁ…」
俺の心臓、大丈夫か…?
呼吸を整え、天井を仰ぐ。
咲希の前で倒れるわけには絶対いかん。