サヨナラのその日までそばにいさせて。
「…ありがと」
困ったように返事する咲希だけど、ちょっと嬉しそうに微笑んだ。
「入ろ」
「うん。あ、何か飲み物買っていい?」
売店をチラッと見ながら、俺を引き止める。
「あぁ…」
「アキは何飲む?お返しに奢るよ」
何にする?と尋ねて来る咲希から思わず目を逸らした。
「…俺は何もいらん」
「えー…遠慮しないでいいのに」
「そんなんちゃうよ。はよ買って来い」
軽く背中を押すと渋々売店へと向かった。