サヨナラのその日までそばにいさせて。
「おぉ〜…さすがお坊ちゃん」
「初めて来たわけじゃないだろ」
空良の家は病院経営をいくつかしていて、簡単に言えばお金持ちだ。
空良はいわゆる跡取りやな。
「ガキの頃からスゲーと思ってたけど、今見てもスゲー家だな」
大きな邸宅の廊下を歩きながら、周りをキョロキョロする。
そしてある部屋に着き、襖を開けて入る。
「今日から世話なります」
空良にとりあえず頭を軽く下げる。