サヨナラのその日までそばにいさせて。
「じゃあ、もうお兄ちゃんだね。ママも今、カズ君のこと探してくれてるはずだから、ここでお姉ちゃんと待ってよ?」
「…ママ、来る?」
「来るよ。だから待ってよ?」
「…うん」
鼻をすすりながら、コクンと頷くと、手をひいてベンチに座らせた。
「迷子?」
コソッと耳元で尋ねてくるアキに、不謹慎にもドキドキしてしまう。
「お母さんとはぐれたみたい。探し回るより、ここでじっとしてた方が見つけてもらえると思うんだよね」
「そうか…」
納得したように返事するとカズ君を抱き上げ、膝に乗せるアキ。