サヨナラのその日までそばにいさせて。



「お母さん、すぐ見つかって良かったね」


川の周りに備えられている、冊の手摺りにもたれ掛かるように、ベンチに座るアキの前に立つ。



「…アキ、どうしたの?」


さっきから俯いたままで、私と視線を合わしてくれない。


カズ君がいた時は笑ってたのに。


何か怒らせるようなこと言ったのかな…?



「アキ?」


不安になって顔を覗き込むように見ると、パッと顔を上げたアキと視線がバチッと合った。



その視線が切なさを漂わせているように感じ、ドキッと心臓が飛び跳ねる。



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