サヨナラのその日までそばにいさせて。



「………ごめん、もうちょっとこのままでいさせて」


そう言ったかと思うとギュッと回している腕に力を入れられる。



本当にアキ、どうしたんだろう?


ポンポンと優しくアキの頭を撫でる。



「……何かあったの?」


「………」



「…アキ」


「…………」


何も答えないアキの頭に手を回し、抱きしめるように優しく包み込む。



どれくらいこうしていたのか、空は暗くなり始めていた。



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