サヨナラのその日までそばにいさせて。



それより、さっきからアキの姿が一度も見当たらない。



「アキ、休み?」


「遅刻」



「また寝坊したの?」


そう尋ねると空良は「アキが来たら、直接聞いてみな」と、困ったように微笑した。



それからアキは二時間目の終わり頃に登校してきた。


静かに授業の途中に入って来たかと思うと、すぐに休み時間になった。


ジーッとアキを見つめてしまう。



アキと遊んだ日の夜から、次会った時はどんな風に接したらいいかな、とか、緊張しちゃうかな、とか色々考えて眠れなかった。


だけど、その日、アキが話し掛けてくることはなかった。



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