サヨナラのその日までそばにいさせて。



「そうじゃない!アキは…」


「空良!……大丈夫、やと思う」


叫ぶような空良の言葉を遮るように、言葉を発する。


何が大丈夫なんか、どう大丈夫なんか分からんけど、俺は自分に言い聞かせるように言った。



「…大丈夫って、そんなはずないだろ!?」


「何もめてんだよ?始めんぞ」


さっさと試合を始めたそうに関口は言い、他の男子もコートに入り始める。



「…咲希にバレてもいいって決心したってこと?」


「…………」


真剣な空良の口調に対して、俺は何も答えられんかった。



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