サヨナラのその日までそばにいさせて。
「あ、男子は外で体育なんだね」
窓から男子の体育を覗く未来ちゃんにつられ、私も外に視線を移す。
男子達はハードル走のタイムを計っていた。
炎天下の中、外での体育は日焼けするから嫌だ。
って今日は保健体育だから、教室で受けてるんだけど。
さっきからずっとビデオが流れ続けているのを見ることもせず、男子のハードル走を眺める。
「高峰くんだ」
軽々とハードルを飛んで走り抜ける姿に、未来ちゃん以外にも窓際の女子は熱い溜め息をつぎながら見ている。
さすが空良、速い…。
アキはどうなんだろ?
あいつも運動神経良さそうだし、速いんだろうな。
そう思い期待しながら、見続けていたが、アキがハードルを飛ぶことはなかった。