サヨナラのその日までそばにいさせて。



「咲希って意外と器用にこなすもんな」


感心したように言うと、「バカにしないでよねぇ」と笑った。



「俺、帰ろうかな」


黙ってた空良がそう言って、ガタッと椅子から立ち上がった。



「えっ、なんで?もう、りんご剥けるよ?」


「やっと彼氏彼女になった二人の邪魔、したくないし?」


ニヤッと意地悪な笑みを浮かべながら、空良は病室を出て行った。



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