サヨナラのその日までそばにいさせて。



「適当にぶらぶらする?」


「…そだね」


悩む私を見兼ねてか、アキは苦笑しながら言った。



とりあえず歩きだし、街中を色々と見て回る。



ご飯を食べて、買い物して、お互いに写真を撮りあって…、時間はあっという間に過ぎていった。



「咲希」


「ん?」


「今日はありがとうな」


夕焼けが赤く染まる丘にある公園のベンチに並んで座る。



優しく微笑むアキの表情は何だか切なくて、胸がきゅーっと締め付けられる。



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