サヨナラのその日までそばにいさせて。
第9章
残されている時間-太陽side
年が明け、咲希と付き合い始めて一ヶ月半が過ぎた。
「太陽、今度はいつ戻って来るんだ?」
「んー…春休みかな?」
携帯を弄りながら父さんに返事する。
冬休みに入ってすぐ、実家に戻って過ごしていた。
「春休みか…」
「なにかあんの?」
呟くように話す父さんに視線を向ける。
「いや、何にもないんだが、もっと私たち…母さんに顔を見せてやってほしいんだ」
「…分かってるよ、大丈夫」
そう答えると安心したような表情をした。