サヨナラのその日までそばにいさせて。
「…っ、咲希!」
名前を呼ばれ、無意識に振り返ってしまった。
「待てや!」
はぁ、はぁ…と息を切らし、呼吸を整えるアキ。
「…バカ。何追いかけて来てんのさ」
そう言いながらも、もちろん走って来たわけじゃないだろうけど、必死で追いかけて来てくれたことが少し嬉しく感じる。
「疲れた…」
ハハッ…と力無く笑うと、その場にしゃがみ込んだ。
「大丈夫…?」
「…あぁ」
そう言いながらもアキの表情は段々と苦しさを増していく。
「もしかして走ったの?」
「まさか…」
小さく笑うが、その表情が不安を覆う。
「………ごめん、先生呼んで」