サヨナラのその日までそばにいさせて。



「…そっか」


そんな空良に俺も力無く笑い返した。



それから空良は面談時間を過ぎて帰って行った。



一人残された病室は妙に静かで、俺の心細さを大きくさせた。




「……咲希、会いに来いや」


呟くように吐かれた言葉は闇に消えた。




この時の俺は咲希に何が起こってるか、何も知らなかった―…




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