サヨナラのその日までそばにいさせて。
「………」
「咲希…、悪いけど一人にさせて」
「…うん」
私と視線を合わすことなく言い放たれたアキの言葉を最後に、私は静かに病室を後にした。
病室を出た瞬間、堪えていた涙が次から次へと溢れ出す。
拭ってもとめどなく流れる涙を隠すように、顔を埋めるようにその場にしゃがみ込んだ。
「…頑張ったな」
そう言って頭をポンポンと優しく叩くと、空良は私の隣に同じようにしゃがみ込んだ。
違うよ…。
本当は本気なんかじゃないよ。
私だってアキといれて幸せだったよ。
でも…、アキといたら私は周りを不幸にさせちゃう。
アキ…、弱虫な私を許して―…