サヨナラのその日までそばにいさせて。



留守電の主はアキからだった。


思いもしない相手からだったからか、一気に眠気が吹っ飛んだ。



『電話でごめん。直接言うのはやっぱり出来んくて』


ははっ…と情けなそうに笑い続くアキの言葉。



『……咲希、俺が戻ってきた理由はな…』


戻ってきた理由…?



『…時間がない、からやねん。空良が俺に人生諦めるなって怒るのは、空良も俺の余命を知ってるから』


…余命?


淡々と話を進めていくアキの電話に頭がついていかない。



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