サヨナラのその日までそばにいさせて。



「そろそろ帰らな。じゃあな高良くん」


壁にかかっている時計を見て診察室を出ようとすると、高良くんに呼び止められる。



「太陽、無理せずにいつでも来るように。薬も忘れず飲んで、ちょっとでもしんどいなら病院に来ること。いいな?」


「高良くん、医者みたいなこと言うな」



「医者だから…分かった?」


「分かってますよ、先生」


そう言って診察室を後にした。



高良くんがあまりにも真剣な目を向けてくるから、俺はわざとふざけた。


なんかそうしなやってられん気がして…。



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