サヨナラのその日までそばにいさせて。
「何ですか?」
「アルバムです。咲希が撮った太陽くんや空良くん、咲希の笑顔が沢山詰まったアルバムです」
おじさんはお母さんからアルバムを受け取ると、おばさんと一緒にゆっくりとアルバムに目を通し始めた。
「…このコのこんな笑顔、久しぶりに見たよ」
柔らかい笑顔を零すおじさん。
「太陽は咲希ちゃんや空良くんと過ごせて本当に幸せだったんだね」
そう言いながらパラパラ…とページを捲っていく。
「私達ではこんなに笑顔に出来なかった。このコが死ぬまでに悔いのない人生が送れればいいと思っていた」
「でも今回、手術をしたいと言ってきた。手術をしても成功しない確率が高い。でも何もしないまま死を迎えるなら、手術をして死にたいって」
アルバムから顔を上げ、私の目を見つめながらおじさんは言葉を続ける。