サヨナラのその日までそばにいさせて。
病室を出るとアキのお母さんが椅子に腰掛けていた。
「咲希ちゃん」
「…はい」
私を待ってたのか、病室を出てきた私に気が付くと、すぐに立ち上がり近付いてきた。
「さっき…いえ、今までごめんなさい。大人気ない行動ばっかりしてしまって、咲希ちゃんを傷付けてしまったわ」
「…そんなことない、です。おばさんの気持ちも理解出来ます。だから謝らないで下さい」
「…そう言ってくれると助かるわ。ただ悔しかったのかもしれないわね。私達では出来なかった、あの子を笑顔にした咲希ちゃんが」
そう言いアキに似た優しい表情を浮かべる。