サヨナラのその日までそばにいさせて。



病室を出るとアキのお母さんが椅子に腰掛けていた。



「咲希ちゃん」


「…はい」


私を待ってたのか、病室を出てきた私に気が付くと、すぐに立ち上がり近付いてきた。



「さっき…いえ、今までごめんなさい。大人気ない行動ばっかりしてしまって、咲希ちゃんを傷付けてしまったわ」


「…そんなことない、です。おばさんの気持ちも理解出来ます。だから謝らないで下さい」



「…そう言ってくれると助かるわ。ただ悔しかったのかもしれないわね。私達では出来なかった、あの子を笑顔にした咲希ちゃんが」


そう言いアキに似た優しい表情を浮かべる。



< 459 / 474 >

この作品をシェア

pagetop