サヨナラのその日までそばにいさせて。



「本当はね太陽くんが戻ってきたって知った時はびっくりしたわ。咲希が辛い思いをするんじゃないかって」


「知ってたの?アキが病気だって」



「えぇ。だから昔、引っ越したのもね。太陽くんは心臓が悪いって咲希には知られたくなかったのね。いつだったか一度家に来たのよ」


「…うそ。私、何も聞いてないよ?」



「秘密だからね。"咲希には病気のことを知られて泣いてほしくないから、病気のことは黙ってて下さい"って頭下げられたの」


「……っ!」



「咲希、太陽くんからね、手紙を預かってるの」


そう言って鞄から封筒を取り出し、私の涙をハンカチで拭うと、私の手に封筒を握らせた。



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