サヨナラのその日までそばにいさせて。
「咲希ちゃん、立石くんと喧嘩?」
「違うよ!あいつ、サボり過ぎだから、練習出なよって言ってたの」
リレーの順番待ちしている間、未来ちゃんとコソコソ話す。
「立石くんの写真も撮らないといけないし、説教もしないといけないし、咲希ちゃん忙しいね」
楽しそうに話す未来ちゃん。
「…そだね」
忙しいのかよく分かんないけど。
「でさ、咲希ちゃんはどっちがいいか決まった?」
…いきなり何の話だよ、と溜め息が出そうになる。
「未来ちゃんが期待してるようなことは起こらないよ!」
そう言って私は自分のコースへと列んだ。
未来ちゃんは「分かんないよ〜」と言いながら、顔をニヤつかせていた。
アキか空良、どっちかを好きになるなんて有り得ないよ。