Three Sounds
が、その時は、関わらないようにその場を去り、とばっちりを食らうこともなかった。が、編入生のスバル様と言えば。
「勝手にしろよ。あ、後言わないつもりだったけどさ、あんたの作曲、めちゃくちゃだから。メロディの運びがなってないし、調も定まってない。ただテキ
トーに作ればいいってもんじゃないんだよ、音楽は。」
「うっせえんだよ、絶対音感なんだかしらねえけど、調子に乗んじゃねえ。ああ、
もうやめたやめた!」
そう言ってヒカルは大股で扉に走り寄り、あっという間に外へ飛び出して行った。
「自分勝手な奴。」
彼の残したギターを拾い、弦を調節しながらつぶやいた背中にアラシは小声で言った。
「あなたもけっこうですけど。」
「全く、素人の作る音楽だから、覚悟してたけど、予想以上だな。」
「スバル様は音楽、やってたんだ。」
少しでも空気を軽くしようと思い、アラシは遠くから口をひらいた。
「勿論。三歳から、ピアノとバイオリンと笛、やってたぜ。でも、俺はやっぱこれが好きだな。」
そう言って、彼は顎の先で隅の方に置いてあったキーボードを差した。
「すごいな。」
「勝手にしろよ。あ、後言わないつもりだったけどさ、あんたの作曲、めちゃくちゃだから。メロディの運びがなってないし、調も定まってない。ただテキ
トーに作ればいいってもんじゃないんだよ、音楽は。」
「うっせえんだよ、絶対音感なんだかしらねえけど、調子に乗んじゃねえ。ああ、
もうやめたやめた!」
そう言ってヒカルは大股で扉に走り寄り、あっという間に外へ飛び出して行った。
「自分勝手な奴。」
彼の残したギターを拾い、弦を調節しながらつぶやいた背中にアラシは小声で言った。
「あなたもけっこうですけど。」
「全く、素人の作る音楽だから、覚悟してたけど、予想以上だな。」
「スバル様は音楽、やってたんだ。」
少しでも空気を軽くしようと思い、アラシは遠くから口をひらいた。
「勿論。三歳から、ピアノとバイオリンと笛、やってたぜ。でも、俺はやっぱこれが好きだな。」
そう言って、彼は顎の先で隅の方に置いてあったキーボードを差した。
「すごいな。」