ご主人様はお医者様


「ま、それでうまく離れてくれたけどさ、君はまだ高木先生が好き。
それに先生も……迷ってるみたいなんだよね」




迷ってる――!?




「大学に戻るなら、さくらと結婚することがいいはずなんだ。
教授の座を狙うならなおさらね。大学ってそういう所なんだよ?
なのに、正式な返事はまだ出してない」




正式に婚約して無いって事!?




でも……、



だからって私にはもう関係の無いこと。



先生はもう私のことをなんとも思っていないんだから……。





あの時も――、


私を追ってはくれなかった。




その後も――、


何の連絡もくれない。




それが何よりの証拠。




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