ご主人様はお医者様
*好きだからこそ
寮にたどり着いて、シャワーを浴びる。
ベツトにゴロント横になっても眠ることが出来なかった。
考えずにはいられない。
――先生…………。
その時、携帯が鳴った。
香澄からだ!!
「お疲れ、小春もう起きる頃かと思って!
私、仕事終ったら映画に行こうと思うんだけど、もちろん一緒に行くよね?」
「……うん!!もちろん」
時計を見るともう16時。
19時に待ち合わせをした私は、少し早めに寮を出た。
街はすっかりクリスマスモード一色だ。
楽しい気分になるはずのこの時期、もやもやとしている私にはこの雰囲気は目に毒だ。
映画館前に着くと、香澄はもう到着していた。
「「おつかれーーっ」」
私は香澄に手を振りながら慌てて駆け寄った。
「早かったね?」
「うん、定時に上がってきちゃったよ!!」
「何見る?」
「うーん、そうだね・・・」
「じゃ、これっ!!」
香澄が選んだのはバリバリのアクション映画だった。
「小春最近元気ないし、これ見れば元気出るでしょ!!!!」
恋愛映画一筋の香澄、
きっと私の為に選んでくれたんだよね。
おかげで、少しだけ気分が晴れたような気がした。