ご主人様はお医者様
大理石のエントランス、ホテルのようなロビー。
教えてもらった暗証番号で中に入り、エレベーターに乗ると最上階のボタンを押す。
“ポーン・・・”
静かに扉が開き、私はエレベーターを降りた。
玄関のドアの前で、汗ばむ手をハンカチで拭く。
今更だけど、緊張してきちゃった……。
大丈夫かな私っ――…。
わかり切った事だけど、私は女で先生は男。
いくら紳士として評判でも……。
うわっ、今スゴイ妄想がぁ///
ダメダメっ、私が考えるような心配はいらない……と、自分に言い聞かせてみた。