ご主人様はお医者様


その心配は、的中してしまう――。







朝の申し送りがすんで、モーニングカンファレンスが始まる。


堂々と居眠りをする荒木先生をよそに、カンファレンスは進んで行く。


夜勤明けで睡魔と闘いながらもカンファレンスに参加。


でも、眠気以上に気になるのは彬の顔色――…



青白くて、時折辛そうな表情を見せる。



もう、今日こそマンションに連れて帰ろう!!!!



そう思った瞬間、



“ガタン・・・”



大きな音を立てて、彬はテーブルに倒れこんでしまった。




「「高木先生!!!!」」




みんなが騒然とする中、私は一瞬躊躇しながらも先生に駆け寄ろうとした。




その時――、




――「彬先生っ!!」




私じゃない誰かが彬の名前を呼び、その体にしがみ付いた。


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