ご主人様はお医者様
さくらさんはナース達の顔をグルリと見渡している。
みんな口々に、誰が“好きな人”なのかを言い当てようとする。
こっ、こんなところでなんてこと言うの!!
私は思わず後ずさりする。
そんな中、彬はよろめきながらもゆっくりと立ち上がった。
それから子供でもあやすように、さくらさんの頭をポンポンと叩いた。
「さくら、もう駄々っ子はやめろ!」
「やだ、さくらは彬先生じゃなきゃダメなの!!」
そんな様子のさくらさんの肩を両手で掴んで自分から引き剥がす。