ご主人様はお医者様
――…玄関のドアが開くと、私は真っ先に彬に飛びついた。
「お帰りなさいっ」
「ただいま、小春。こんな出迎えかたして……こうして欲しかった?」
そういうと彬は、顎を持ち上げて、私の想いを飲み込むように深く唇を重ねる。
「だって、うれしかったから……んっ」
彬の熱い舌が、私の気持ちを絡め取っていくんだ・・・
私のせいで、大学へ戻れないかもしれない。
そう思っていたから、今朝のことはすごくすごくうれしかった。