ご主人様はお医者様
「フッ…、何一人で百面相してるの?」
先生はそんな私をみてクスクスと笑い声を上げた。
しかも、職場では見たことのない笑顔で。
あんな無邪気な顔して笑うんだ……。
意外――…。
不覚にもときめいちゃったじゃないですかっ!!
「あらためまして。いらっしゃい、ハル」
「お邪魔します。せん……ハル!?」
「及川さんじゃ職場に居るみたいで嫌なんだ。良いだろ?ハルで呼びやすいし」
「だって、それ……元源氏名」
「ダメ?」
『ダメ?』先生はそういいながら、甘えるような目つきで私をジット見詰てくる。
うっ、そんな顔されたら私っ負けてしまいそう!!